真・ホドリゴ日記

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もうタモリしか愛せない

私は、他人と目を合わせるのが嫌いだ。
まっすぐ目を見つめられると、どうしても逸らしてしまう。
これには訳がある。

私が幼稚園を登園拒否し、毎日公園の隅の砂場で砂を掘っては埋める作業を繰り返していた頃のことだ。
公園のもう片方の隅にあるベンチに、毎日座っている女性がいた。
当時は、大人の女性だと思っていたが、今から思い返すと、18か19歳ぐらいの人だったように思う。

彼女は、毎日手紙を読んでいた。
毎日同じ手紙をベンチで読み続ける彼女が気になり、私は勇気を出して声をかけた。

彼女はトモヨちゃんという名前だった。
仕事はしていない。友達は2人いると言っていたが、多分嘘だ。
手紙が誰から来たものかは教えてくれなかった。

それから、3日に一度くらい、トモヨちゃんは私の砂場遊びにつきあってくれた。
後の2日は、トモヨちゃんはベンチで手紙を読み、私は砂場の砂を掘り、埋めていた。

そんな日がしばらく続いたある日、私がいつものように朝遅くまで寝ていると、珍しく母が私を起こしにきた。
幼稚園の先生が、登園拒否の私を迎えに来たらしい。
私は、幼稚園へ行かないのに特に深い理由もなかったので、言われるまま登園した。

その日、幼稚園から先生に手をひかれて帰る途中、公園の前を通った。
トモヨちゃんはいつものベンチに座っていた。
けれど手紙は読んでいなかった。
ただ、真っ黒に塗りつぶされた手紙らしきものを左手に持って下を向いていた。
私は、トモヨちゃんに特に愛着があったわけでもないので、挨拶もせずそのまま素通りして家に帰った。

家に帰ると、親戚のおじさんが遊びに来ていた。
私は、おじさんがあまり好きではなかった。
ごはんを食べていると、色々と話しかけてくるのが鬱陶しかった。
ごはんを食べ終わると、私は自分の部屋に帰るフリをして外に出た。
おじさんから逃げるために外に出たものの、特に行くあてはなかっので、いつもの公園に行った。

トモヨちゃんがいた。
いつものベンチに座っていた。
私は見てはいけないものを見たような気がしたので、やはり家に帰ろうと、そう思った。

すると、トモヨちゃんが立ち上がってゆっくりと近づいてきた。
なぜか、私の足は動かなかった。
トモヨちゃんは右手に何か持っていた。
右手からは何かがポタポタと落ちていた。

「せっかく考え事してるのに、光がうるさいの」

トモヨちゃんはいつになく大きな声でそう言った。

その時車が公園の前を通った。

車のライトに照らされた、トモヨちゃんの顔の、目があったところは、真っ暗だった。


次の日から、私は公園の前を通らずに幼稚園へ行った。
友達も、最初はよそよそしかったが、次第に仲良く遊べるようになった。
ある時、一番親しくなったケンちゃんに誘われて公園に久しぶりに行ったのだが、トモヨちゃんが座っていたベンチでは、学校をさぼった中学生が咳き込みながら煙草を吸っていた。 mixiチェック
  1. 2008/01/05(土) 20:47:10|
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